すい臓(膵臓)すい臓(膵臓)という臓器があるのをご存知かと思いますが、肺や胃などのように、どのような働きをして、どこにあるのかということを知らない方は実は多いのではないでしょうか。すい臓(膵臓)は、胃と脊椎(背骨)の間(胃の裏側と脊椎の前方)にある横に長い形状をしています。 【スポンサード リンク】 ![]() 地味だけど、とても大切な「すい臓」すい臓(膵臓)は主に内外分泌機能を備えております。その役割や、疾患について正確に知っている人は案外と少ない、比較的地味な臓器ですが、すい臓にはとてもとても大切な役割があります。(かくいう私も、すい臓が病気になって初めて分かりました)そこで今回は、すい臓のしくみと働きについてスポットを当ててみたいと思います。 すい臓の名称の由来についてすい臓はなぜか五臓六腑に含まれていません。理由にはいくつかあります。それは、すい臓は胃の裏側、脊椎の前側にあり目立たないという点がひとつ、さらに、死後すい臓は早い期間で自ら融解を起こすなど、独立した働きをもつ臓器とは考えられなかったことから仲間に入れてもらえなかったようです。西洋でも昔は、すい臓は胃の衝撃緩和を行う役目があると考えられていました。そのことから骨がなく、全部が肉の塊という意味から「パンクレアス」(pancreas pan=すべて、creas=肉)という名称が用いられています。膵臓の「膵」とは中国にはなく、日本で作られた漢字です。これは「月(にくづき)」と「萃(すべて)」を合体させたものでありパンクレアスの翻訳を表現しています。このことから「膵臓(すい臓)」と呼ばれるになっています。 すい臓の位置と形状について冒頭でも少し触れましたが、すい臓の位置は胃の裏側と脊椎の前方になります。すい臓は横に長い形をしており、右端には膵頭部と呼ばれる、上下方向に幅広くなっており十二指腸の下行脚に囲まれています。膵頭部の左には脊椎をまたいで横に伸びており、先端は細く脾臓(ひぞう)に接触しています。この左部分のことを尾部、尾部と膵頭部の間を体部と呼びます。すい臓に触れてみると、まるでこんにゃくを触っているような感覚に陥ります。色は灰桃色をしています。サイズは大人で約150mm、重量は平均で74g程度になります。 すい臓の仕組みと働き、病気についてすい臓の働きとしくみについてすい臓を顕微鏡で観察してみると、小葉と呼ばれる部分から成り立っている様子を確認できますが、それぞれの小葉は腺房という組織の集合体でできており、ちょうど果物のぶどうの実のような塊を形成しています。さらに腺房の中には腺腔と呼ばれる隙間があり、導管という管に続いています。この導管のはたらきは線房の細胞から分泌される消化液(すい液)が流れるルートであり、木が枝を広げているような格好で多く存在していますが、最終的には一本の管に合流します。この管を膵管と呼びます。膵管は膵頭部が十二指腸に接するところに開口しており、ほとんどはそこで総胆管と合流してファーター乳頭を形成し、膵液と胆汁を一緒に十二指腸へ送り出します。 すい臓の外分泌機能線房の細胞からは膵液と呼ばれる消化液が分泌されていますが、すい臓のこの働きを外分泌機能と呼んでいます。この膵液にはタンパク質を分解するトリプシンやキモトリプシン、デンプンを分解するリパーゼなどの多くの酵素が含まれており、胃から十二指腸へ送られてきた栄養素の消化をサポートします。さらに膵液には多くの重炭酸ソーダが含まれているため、膵液はアルカリの性質をもっています。このため胃から十二指腸へ送られてきたものは胃酸により酸性要素を強く示していますが、膵液に含まれているアルカリ性の重炭酸ソーダで中和されるため膵液中のさまざまな消化要素がはたらきやすくなります。 すい臓の内分泌機能すい臓の小葉内のあらゆるところにランゲルハンス島と呼ばれる細胞群が広がっています。このランゲルハンス島からは血液中のブドウ糖値を下降させるインスリン、上昇させるグルカゴンのほかに、ソマトスタチンといったホルモンが分泌されています。このようにホルモンを分泌するすい臓の働きを内分泌と呼んでいます。ランゲルハンス島から分泌されたこれらのホルモンは毛細血管から血液中に入っていきます。 すい臓と消化管ホルモン十二指腸粘膜からはセクレチン、パンクレオザイミンといった消化管ホルモンが分泌されており、一度血液に含まれてからすい臓に達します。そしてセクレチンはすい臓から重炭酸ソーダと水を分泌させるように働き、パンクレオザイミンは膵消化酵素の合成と分泌を起こさせるように働き膵液として分泌します。このように分泌された膵液により十二指腸や小腸で消化がスムーズに行われるようになります。 肝臓と自律神経膵液の分泌は消化管ホルモンを介してコントロールするほかに自律神経でもコントロールされています。迷走神経(副交感神経)は、膵液の分泌を抑制するよう働き、内臓神経(交感神経)は膵液の分泌を促すほうに働きます。 すい臓の病気についてすい臓の病気の代表的なものにすい臓がん(膵がん)があります。すい臓がんは近年増加傾向にあり、とくに高齢者の方に多くみられます。すい臓がんには三大症状と呼ばれる症状があります。お腹が痛くなる、体重が急激に減少する、皮膚や眼球結膜に影響を及ぼす黄疸があらわれる、といった症状になります。またすい臓の位置によりお腹だけでなく、背中にも痛みが出てくる場合もあります。すい臓がん末期になると生命に大きく関わってきます。腫瘍が肝臓に転移ということも多くあります。したがって、早期発見と早期治療がもっとも大切です 【スポンサード リンク】 |